黒くて甘い例のブツ。

バレンタイン。
渡す相手なんぞいるはずもなく、俺的にはどうでもいい一日。学校も休み入ってるんで、友達に貰うって事もないから、関係ねぇし。
普段と同じように昼頃までごろごろ寝てた。

PM1:30起床。
コートのポケットに突っ込んだままのケータイを引きずり出すと、メール着信二通。
開いてみれば、愛しのマイハニー（笑）のHから。
一通目。

『今、どちらにいらっしゃいますかー？』

んー、家でごろごろ寝てますが。
そんな事を考えつつ、二通目を開く。

『（題名）とりあえず』

ふむ？

『（本文）今からポストにチョコ入れに行きます』

なんですとっっ！？
着信時間をチェックすると、十五分ほど前。
連絡を取ろうにも、Hはケータイを持ってない。今から自宅に電話しても間に合わない。
少々パニック起こしながら、とにかく急いで寝間着から着替え、念のためポストをチェック。まだ来ていない事を確認する。

さて、これからどうするか。

家も学校も遠いHと久々に会えるチャンスを逃すわけには行かない。家で待ち伏せすることを決める。
とはいえ、ポストにチョコ入れるだけで帰ってしまう可能性大なので、来た事がすぐ解るようにしておかなければならない（玄関で待ち伏せでもしておけばいいのだが、さすがに寒い）。
それを考え、準備に入る。

用意する物。
・取り敢えず、朝飯代わりのカップスープ。
・椅子。
・暇つぶしの本。

それらを持って、両親の部屋へ。家に来る道が見える窓辺に陣取る（笑）。

待つこと一時間弱。

無事、Hを捕獲することに成功。
上記の話をしたら、笑われましたが（当然）。
Hはバイトがあるとのことで、遊ぶ時間はなく、駅まで送って、バス待ちの時間を某ファミレスでお茶（というか、俺の朝飯）して別れました。
H、本当にアリガトなー。

でも、実はチョコ嫌い（甘い物が苦手）だったりする俺。っていうか、Hはそれを知ってて、わざわざくれます（爆笑）。一応、気を遣ってくれたようでビター＆ナッツ入りでしたが。


嬉しいけど辛い……。
バレンタインでチョコ貰う男の心境ってこんなんだろうなぁ……。